日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート

チーム九州主催「九州マンス」を開催

日中経済協会上海事務所大分県経済交流室
(大分県上海事務所)藤原由博

はじめに

上海は常住人口2,400万人の大都市。この大都市で大分県の物産販売や観光PRのイベントを行っていますが、物産については輸出に様々な制限があるため販売商品を集めにくく、また観光についても九州を周遊する訪日客が多いという状況があり、なかなか大分県単独で現地の人にとって魅力的なイベントを行うのは難しいのが実情です。このため上海の自治体事務所では、周辺自治体等と連携した取り組みを行っています。

チーム九州

上海には九州8県のうち佐賀県を除く7県と北九州市が事務所を置き、またJR九州も事務所があります。これら10の事務所(佐賀県は本庁対応)がまとまった組織がチーム九州です。

チーム九州では、1,2か月に1度会議を開催し、各県に持ち込まれるイベント等の情報を共有し、具体的な対応について議論を行います。ここ数年上海ではチーム九州の認知度が高まり、イベント参加に合わせて行事の後援依頼を求められるケースも出てきたため、昨年から規約とロゴを準備し、依頼に対応するようになりました。昨年度チーム九州として参加した行事は、物産展や観光イベントを中心に10以上に上りました。

このように周辺自治体と連携した取り組みを行っているのは九州以外にも、中部地方や四国がありますが、定期的に会議を行い複数のイベントに参加しているのはチーム九州だけです。


九州マンス

チーム九州の活動は、外部から持ち込まれたイベントに対応することが多いですが、自ら関係者に提案し実施しているものもあります。それが九州マンスです。

九州マンスは九州の知名度アップを目指して昨年から開催している取り組みで、毎年6月を九州マンスと位置づけ上海の様々な場所で九州のイベントを開催するものです。今年は大分県、福岡県、鹿児島県が幹事となり、上海市内24店で九州ゆかりの料理を提供する九州グルメ博、大九州人会、日本料理店竿屋での九州ランチバトル、上海高島屋での九州沖縄物産展、食品スーパーしんせん館(2店)での九州沖縄地酒フェアの5つのイベントを行いました。これらのイベントの中で当事務所が企画立案して実施したが竿屋九州ランチバトルです。


イベント一覧表

竿屋九州ランチバトル

竿屋は立命館アジア太平洋大学の卒業生が経営する上海の人気日本料理店です。ランチバトルの内容は、九州8県の郷土料理をメインにした定食をランチ時間に提供し、注文数を競うもので店内には累積注文数がわかるように成績表を張り出しました。各県のメニューは、福岡県ごぼうてんうどんとかしわめし、佐賀県シシリアンライス、長崎県ちゃんぽん、熊本県ちくわサラダ、大分県唐揚げ、宮崎県チキン南蛮、鹿児島県豚角煮丼、沖縄県ゴーヤチャンプルーで、価格はすべて48元です。 気になる結果ですが、もともと竿屋人気NO.1のメニューであるチキン南蛮が安定した人気を誇り88食で1位、大分県の唐揚げは81食で惜しくも2位となりました。イベント15日間の合計注文数は446食で、オフィス街で客足が伸びない週末が4日間あったにも関わらず集客に大きく貢献しました。 今回のランチバトルの大きな目的は、食をきっかけにした九州への観光客誘致で、店内には各県の観光ポスターを張りパンフレットの配布を行いました。上海はマルチビザホルダーが多く、九州への航空便数も多いため、自由度の高い旅行をする個人客が多く、特色あるグルメは旅行先を選定する要素の一つです。

竿屋店内の様子

おわりに

九州8県は多すぎず少なすぎず対外的にもわかりやすく、自然な結束力もあります。今後もチーム九州での取り組みをうまく活用しながら、本県の物産と観光のPRにつなげていきたいと思います。

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