日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
「寿司めいじん」上海店オープンと上海の回転寿司事情

【「寿司めいじん」上海久光百貨店地下にオープン】

かねてから、上海進出を準備していた地元回転寿司チェーン「寿司めいじん」の上海店が5月11日にオープンしました。場所は市内静安区にある日本式デパート「久光(ひさみつ)百貨店」の地下にあります。久光は「きゅうこう」と読むのが正しいのかもしれませんが、上海在住の日本人は皆さん「ひさみつ」と呼んでいます。久光百貨店の地下1階は「カレーハウスCoCo壱番屋」など日本系のレストランや香港点心など中国系のレストランなど7店舗ほどが営業を行っています。また、同じフロアにあるスーパーでは様々な日本食品が売られています。大分県関連では「三和酒類」、「二階堂酒造」、「久保酒造」の焼酎や「JAフーズおおいた」のジュース、「富士甚醤油」の醤油・調味料、「四井製麺工場」の乾麺なども販売されています。


来店客でにぎわう「寿司めいじん」上海店

【「寿司めいじん」好調な滑り出し】

「寿司めいじん」は開店したばかりの飲食店としてはかなりのお客さんを呼びこんでいます。私も数回お店を訪問しましたが、お昼の時間帯などはしばらく順番を待たなければならない状況です。「寿司めいじん」の特徴は、①寿司であればどれでも1皿10元で提供していること、②回転して自由に取れる寿司のほかタッチパネルで注文ができること、③タッチパネルで注文した寿司は新幹線の形をした特別のトレイが回転寿司レーンとは別のレーンで素早く席まで運んできてくれることです。特にタッチパネルと新幹線トレイのシステムは中国では初めて「寿司めいじん」が導入したとのことで、小さな子供も楽しめるお店になっています。

また、中国の回転寿司はサイドメニューが多いことも特徴です。「寿司めいじん」でも、寿司のほか刺身盛り、サラダをはじめ、ラーメン、うどん、そば、スパゲティー、各種デザートも取り揃えており、品数は豊富です。


「めいじん」鯛(10元=約130円) 「めいじん」鮪(10元=約130円)
タッチパネル 豊富なサイドメニュー
寿司めいじん名物「高速」新幹線トレイ

【上海でも日本系回転寿司が評判に】

「寿司めいじん」が上海に開店したことを機に少し、上海の他の回転寿司のことが気になり何軒か回ってみました。日本系の回転寿司では、埼玉県に本拠を置く「がってん寿司」が2008年11月に1号店をオープンし、現在上海市内で4店舗を展開しています。

「がってん寿司」のホームページを見たところ、九州では博多に1店舗しかないので大分の皆さんにはあまりなじみがないかもしれません。ここはグルメ回転ずしと銘打っていて、ネタもなかなかのものを使用していました。店舗に日本人の職人も配置しています。「寿司めいじん」と違う点は、寿司の種類により1皿8元、13元、17元、19元など差がついていることです。食べてみた感想ですが、ネタでは「寿司めいじん」と大差ないものの、価格とシャリの品質で「寿司めいじん」に軍配という感じでした。(あくまで個人の感想です。)


「がってん」鯛(19元=約250円) 「がってん」鮪(13元=約170円)

【中国系、台湾系の回転寿司もひしめく上海市場】

また、上海で30店舗以上を展開する中国企業が経営する回転寿司にも行ってみました。ここも、寿司の種類によって6元、13元、16元、19元など差がつけられています。食べてみましたが、この店はネタが「めいじん」や「がってん」のものよりかなり劣る感じです。また、機械で固めに握られたシャリにネタが乗っているだけで、まったく一体化していません。

もう1件上海市内で20店舗ほど展開している台湾企業が経営する回転寿司にも行ってみました。ここはなんと全皿6元という信じられない値段でした。しかし、ネタと味は私にとってはちょっと耐えられないものでした。例えば、鯛を注文して食べてみましたが、どうも鯛の味がしません。メニューを見ると中国語で「日本人が最も好む魚の王様」などと書いています。でも、その横に、英語で「テラピア」と書いていました。こんなものも、中国の回転寿司では出回っています。


中国系店舗 鯛(16元=約210円) 中国系店舗 鮪(16元=約210円)
台湾系店舗のメニュー
鯛魚の横にTilapia(テラピア)と書いている

【県内のサービス業進出を引き続き支援】

「寿司めいじん」は上海では久々の大分県のサービス産業の進出です。今後も支援していきたいと考えています。めいじん上海の中島総経理によると、夏には天津にも店を開業するとのことです。我が家は大分在住時から「めいじん」ファンだったので、上海でも2号店、3号店を早く開店していただきたいと願っています。

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