日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
「元気な日本」展示会で大分県を大きくアピール

2012年、日中両国は国交正常化40周年を迎えました。これを記念して今年は両国間の友好交流拡大と相互理解の増進に向けて、官民を挙げて日中双方で記念イベントが開催されます。その第一弾として、東日本大震災からの復興をアピールするとともに、日本の観光、食、技術、ポップカルチャー、アニメ、ファッション等を広く取り込んだイベント「元気な日本」展示会が2月17日~26日に上海で開催され、大分県もステージイベントや、ブース出展により参加しました。今回はその様子をレポートします。


特別出演したAKB48のメンバー

【正大広場でのプレイベント】  

 2月17日~22日まで、浦東新区の金融街にある大型ショッピングモール「正大広場」では「元気な日本」展示会のプレイベントが行われました。大分県は、上海万博のときに結成した中国人ダンスユニット「大分温泉おどり隊」8人のメンバーのうち、4人が上海に在住していたことから、ステージイベントに出演し、4人の「大分温泉おどり隊」と、今回が初めての海外出張となる「めじろん」とのコラボレーションでアップビートの「めじろんダンス」を1日2回披露。ダンスの前には、「大分温泉おどり隊」のメンバーで、立命館アジア・太平洋大学を卒業し、この4月から東京での就職が決まっている陸蕾さんが大分県での学生生活を振り返り、温泉や食、それに大分県民の心の温かさを観客に伝えました。ダンス終了後は「おどり隊」と「めじろん」と一緒に毎回、記念撮影を行うようにしたところ、子供や若い女性が次々にステージに上がり大好評でした。


温泉おどり隊によるメジロンダンス ステージ前にはたくさんの観衆が
子供に大人気の「めじろん」  COSPLAYも登場

【開幕レセプション】  

2月23日、「元気な日本」展示会の開幕レセプションが花園飯店で行われ、日本からは、中野譲外務大臣政務官、泉裕泰在上海日本国総領事、奥山和則上海商工クラブ理事長、中国からは周漢明 上海市政治協商会議副主席、汪小樹 上海市対外友好協会副会長らを始めとして、日中双方の要人が出席し、約700名の参加者で賑わいました。会場は芋の子を洗うような状態で、特に長崎県が行ったマグロの解体ショーは黒山の人だかりができて、日本食品の不安を払しょくするに相応しいパフォーマンスになりました。


日中要人による挨拶 マグロの解体ショー

【上海マートでのメインイベント】

2月24日~26日には、虹橋開発区にある大型商業複合施設「上海マート」で「元気な日本」展示会のメインイベントが開催され、福島県や宮城県などの被災地を含む37地方自治体と、日系企業約70社がブースを出展してPRを行いました。大分県は九州合同ブースの中に入るという選択肢もあったのですが、今回の展示会は日本に特化したもので、日本に興味がある中国の方々が来場することから、より具体的な大分の魅力を分かってもらおうと大分県単独という形で出展しました。大分県の魅力といえば、「温泉」、「食」それに今回は「美女」という新しい切り口でのアピールを考えました。

先ずは、ブースのつくりを「温泉天国大分」をイメージできるものにするため、壁面3面をすべて、別府の地獄と由布院温泉の大型パネルで囲み、海地獄の前には「地獄蒸」竈の実物大モデルを設置して、加湿器を使って湯気に仕立てました。これをバックに写真を撮ると、本当に別府の海地獄に行っているようなキレイな写真に仕上がるので、多くのカップルや家族連れが、ここで記念撮影をしていました。見るからに高級な一眼レフやiPhoneで撮っている人が多いのには驚きです。

今回の展示会では、強力な助っ人に来てもらいました。大分市出身で、上海でモデルとして活躍している山内藍さんです。会場内に設けられた特設ステージでは、山内藍さんが、大分の温泉やフグ料理、ハーモニーランドなどを中国語で紹介したあとで、「大分温泉おどり隊」とゆるキャラの「めじろん」がめじろんダンスを踊って会場を盛り上げました。


「温泉天国 大分県」ブース 地獄をバックにコスプレファン
上海で活躍中の山内藍さん 藍ちゃん&踊り隊&めじろん

「食」については、今年に入ってようやく上海への輸出が再開された四井製麺の「天日熟成うどん」、「日田梨」、「iichiko Bar(リキュール)」の試食試飲を行いました。茹であがったうどんに富士甚醤油のつゆ(かつお)をかけて来場者に食べてもらうと、行列ができるほど好評でした。今回の展示会では商品を売ることは禁止されていましたが、うどんを試食した人からは、「買いたい。なぜ売らないのか!」といったうれしいクレームもたくさんありました。また、「日田梨」(晩三吉)は味の良さもさることながら、その大きさで注目を集め、テレビ局も取材に来たほどです。3日間の試食で10ケース(約60個)のナシは、終了を待たずにすべてなくなってしまいました。三和酒類の協力でiichiko Barの試飲も行いましたが、予定していた試飲の数量がすべてなくなってしまい。再度、試飲のiichikoをいただいた次第です。

私にとって上海で最後のイベントとなった今回の「元気な日本」展示会では、「大分温泉おどり隊」の皆さんや山内藍さん、応援に来てくれた大分県人会の方々、それから大分から出張して来てくれた観光、農林水産部局の職員や「めじろん」らの、チーム大分の力を結集して、中国の方々に大分県の魅力や元気を伝えることができたと思っています。

県人会の市野瀬裕生さんらが助っ人に ナシの大きさにびっくり!
iichikoファンの春秋航空CA 大人にも人気の「めじろん」

【おわりに】

私事で恐縮ですが、この3月末で4年間の任期を終えて大分県に戻ることになりました。2008年4月に中国に赴任して以来、大分県産品の市場開拓や中国人観光客の誘致を中心に取り組んでまいりました。この間、皆さま方には大変お世話になりありがとうございました。私が中国にいた4年間は、偶然にも四川大地震、北京オリンピック、リーマンショック、新中国成立60周年、上海万博、中国共産党成立90周年、日中国交正常化40周年など大きな出来事が続き、政治的にも経済的にも中国の存在感が急速に高まった時期でありました。(おそらく)中国が一番輝いた時代に、ここで仕事ができたことを感謝するとともに、中国で体験・経験したことが少しでも大分県の発展につながるよう次の職場でも尽力する所存です。

   

(以上)

【 もどる 】    【 Top 】