日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
語学のススメ

就職して間もない頃、英語に没頭していた時期があった。それまで聞いたことがなかったNHKのラジオ「英会話」を毎日欠かさず聞き、週1回英会話教室に通った。映画館にこっそりラジカセを持ち込んで好きな映画のセリフを覚えたこともある。当時、英語は私の生活の一部になっていたともいえる。この時期があったお陰で、英語での基本的なコミュニケーションはできるようになった。英語ができれば大体どこの国の人たちとも意思疎通ができるのでとても便利だ。ところが、中国では、英語を使う機会はほとんどといっていいほどない。上海勤務の条件の一つに「中国語又は英語で日常会話が可能」というのがあったが、赴任してすぐに中国では、ホテル以外では英語はほとんど役に立たないことが分かった。上海は日本人が最も多い都市で、しかも職場の中国人スタッフは日本語を話すし、仕事では日本語が堪能な専属の中国人アシスタントがいるので、ほとんどゼロ状態の中国語を一から勉強しようという気にはならなかった。ただ、中国に住んでいて中国語が話せないのは悲しいとの思いから、一週間に一回、中国語の先生に職場に来てもらうようにした。44歳の手習いの上、予習、復習をさぼっていたのでなかなか上達はしなかったが、中国で1年、2年と過ごすうちに少しずつ中国語に耳が慣れ、3年目くらいからやっと簡単な会話ができるようになった。仕事レベルの会話は難しいが、日常会話レベルでも中国人と直接コミュニケーションができるようになると、親近感が増し、相手との距離がぐっと近づく。すべて通訳にたよってばかりいては、なかなか相手との距離を縮めることは難しい。特に、人と人との繋がりがモノを言う中国では、中国語によるコミュニケーションは大きな力を発揮する。中国ビジネスを考えている方は、日常レベルの中国語の習得に力を注いでいただきたい。


中国語で大分の牛乳をPR
【 もどる 】    【 Top 】