日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
急増する中国人観光客
 

中国の経済発展により訪日中国人観光客が急増している。2000年に北京市、上海市、広東省に限定して団体観光ビザの発給が始まり約4万5千人だった中国人観光客は、2005年に団体観光ビザが中国全土に解禁となり、2009年には2000年の10倍以上の48万人となった。2009年からは家族旅行など個人観光ビザの発給が始まり、今年7月からその発給要件が大幅に緩和されたことから、今後も中国人観光客は着実に増えていくものと思われる。少子高齢化が進み、消費が落ち込んでいる日本にとって、こうした中国人観光客は経済浮揚の起爆剤になるとして、国や地方自治体は誘致活動を活発化させている。

これまでのところ、中国人団体観光は大阪から、京都、名古屋、東京に行くいわゆるゴールデンルートと呼ばれるコースが7割以上を占め、映画でブレイクした北海道がこれを猛追し、大型クルーズ船が多い九州が北海道に続くといった状況だ。今後もゴールデンルート優位は変わらないだろうが、リピーター客が増えるにつれ、中国に最も近い日本で、温泉があり、自然が美しく、テーマパークもある九州にもチャンスが必ず来るだろう。長崎に入りハウステンボスに行って、熊本で阿蘇山を見て、大分で温泉を体験し、福岡で買い物をして上海に帰るといったような中国人にとって魅力のある九州ゴールデンルートが必要である。そのためにも、我々は、すばらしい観光資源を持ちながら上海における知名度がまだまだ低い大分県を中国人に知ってもらうような取り組みを官民挙げてしていかねばならない。

来年はロイヤルカリビアン社の大型クルーズ船(乗客約1,500人)が別府に5回寄港することになっている。受け入れ態勢に万全を期し、大分の魅力をクルーズ客に十分堪能してもらえるような仕掛けを準備しておく必要があろう。



2011年、別府に寄港する大型客船Legend of The Seas
          

                                  

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