上海総領事館に長期滞在者として登録している上海在住の日本人は約5万人。企業の短期出張者や観光客など短期滞在者を含めると上海には8万~10万人の日本人がいるといわれている。世界中で最も日本人が多い外国の都市である。これだけ日本人がいるのでスポーツサークル、OB会・同窓会、県人会などの様々な分野でコミュニティ活動が行われている。上海大分県人会もその一つだ。2001年に大手企業の駐在員6人で発足した大分県人会は、2010年には70人を超えた。メンバーも中小企業の駐在員や個人事業主、メディア、公務員など幅広い職種の人が集まっている。また、APUや大分大学など大分県内の大学を卒業して上海に就職している中国人も20名近く入っている。活動内容は2カ月に1回の懇親会開催と年3回のゴルフコンペだ。今年は県人会員の家族や友人も参加できるよう4月に花見、9月にはバーベキューを計画している。上海では来るもの拒まずの県人会が多い中、大分県人会では一定の入会ルールをつくっている。それは、①自身が大分県出身であること、②父母など親族が大分県出身であること、③仕事や学校等で概ね1年以上大分県に住んだことがあることの3つで、何れかに該当する人だけ県人会に入会できるようにしている。大分県に何らかの根を持っている人たちが集まる場所にしたいという思いからである。異国に住んでいるからか、初対面でも大分県出身者だとそれだけでグッと距離が縮まるような感じがする。生き馬の目抜く競争社会の上海に住んでいる我々にとって、大分県人会は大切な情報交換の場、そして癒しの空間となっている。
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