上海に赴任して1年3ケ月が過ぎた。この大都会に来てから時間が過ぎるがとても速く感じる。犬は人間の7倍の速さで成長することから、時代の移り変わりの早さは「ドッグイヤー」に例えられる。2,000万人を超える人口と、10%近い高度経済が続く活気のある街の中で仕事や生活をしていると、まさに「ドッグイヤー」の世界に身を置いているような感覚になる。日本の高度成長期、東京オリンピックから大阪万博の頃の日本のサラリーマンも同じような体験したのだろうか。東京オリンピックの年に生まれた私が北京オリンピックと上海万博の時期に中国で働き「ドッグイヤー」を体験できたことは何かの縁かもしれない。それにしても中国はこの30年でとてつもない国になってしまった。おそらく1975年にフランスのランブイエで開催された第1回サミットでは話題に上ることもなかったであろう中国が、先般のラクイラサミットでは、中国抜きでは何も物事が進まないような重要な国になっている。GDPでも中国は早ければ今年、日本を抜いて世界第2位となり、2050年には米国を抜いて世界第1位になるといわれている。チベット、新疆などの人権問題、都市と農村の格差問題、水・環境問題など、この国が解決していかなければならない問題はたくさんあるが、好むと好まざるにかかわらず我々や子供の将来は中国とうまく付き合って繁栄していかなければならない時代になるであろう。そのためにも中国在任中に大分県と中国の絆をさらに深めていかなければならないと思うこのごろである。
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