日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 県人会
世界で最も加熱する自動車市場

  4月下旬に上海モーターショー(第13回)が開催されたので会場に足を運んだ。まず驚いたのは展示会場の広さと来場者の多さだ。開幕して3日目の平日に行ったにもかかわらず、芋の子を洗うような人込みに圧倒された。展示会場は17万平米(東京ドームの約3.5倍)で前回より20%拡大、出展者数は1,500社で、前回より200社多い。今秋の東京モーターショーでは、展示面積は2万3千平米と前回の半分に縮小し、出展者数は120社くらいに半減することに比較しても中国市場の規模とその勢いが見て取れる。会場では電気自動車やハイブリッドなど次世代自動車の展示や、これまで合弁で外資企業のブランドをつくってきた中国系メーカーによる自主ブランド車の展示が目を引いた。また、所得が伸びてきた農村需要を当て込んで軽トラックや軽乗用車が展示されているのに驚いた。中国政府は今年1月から排ガス量1.6ℓ以下の自動車購入税を半減にし、3月からは「汽車下郷(自動車を農村に)」制度の一環として、農村で小型車や軽トラックを購入する際に購入額の10%を補助している。市場そのものの成長力とこうした政策の後押しもあって、中国の今年第1四半期の自動車販売台数は前年同期比4%増の267万台で米国を抜いて世界1位となった。欧米や日本が3割近くダウンする中、絶好調だった昨年同期よりもさらに延びているのは驚異的である。2009年の中国での自動車販売台数は初めて1,000万台を超えると予想されている。世界の自動車メーカーの主戦場は米国から中国に移り、上海モーターショーの開幕により戦いの火蓋が切られた。



来場者で混雑する会場 ホンダの展示エリア

 

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