日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート

中国内陸の「熱い」都市

              三国志をモデルにしたジョン・ウー監督の映画『レッドクリフ』の舞台・赤壁が武漢市近郊にあることはあまり知られていない。最近、この映画の影響もあって『三国志ツアー』で武漢市に来る日本人が増えているという。また、今年の7月22日に日本(奄美大島周辺)で46年ぶりに皆既日食が見られるが、同じ皆既日食帯の武漢市では5分以上も『今世紀最大の天体ショー』が見られることから、武漢市は一躍注目を集める都市になりそうだ。そんな武漢市が1979年に最初に締結した姉妹都市が大分市である。製鉄所の技術協力が縁で始まった交流は30年を経て、行政交流、市民交流、そして経済交流へと広がっている。2月の下旬から3月にかけて武漢市内の高級スーパー『Theater』で行われた日本食品フェアでは、焼酎や調味料、ジャム、お茶など、ナショナルブランド商品に負けないくらいの大分産品が並んだ。おそらく日本の地域産品で武漢市場に参入したのは大分産品が初めてではないだろうか。輸出型企業が多い中国沿海部の都市に比べ、経済危機の影響が限定的で、中央政府によるインフラ投資が進む武漢市や成都市などの内陸都市に内需主導経済の牽引役としての期待が膨らんでいる。消費市場の急速な拡大を睨み、今年に入って伊藤忠商事や東芝が武漢市に営業拠点を設けた。大分企業も姉妹都市の優位性を生かして『レッドクリフ』の戦いに挑んでもらいたい。
武漢市全景 「Theater」大分産品コーナー
 
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