日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 県人会
進化する中国農業ビジネス

  先般、上海市で高級スーパーCITYSHOPを経営する崔軼雄社長が大分県を訪問し、県内企業との商談や知事表敬を行った。崔社長によれば、昨年の金融危機どこ吹く風で、ショップの売り上げは順調に伸びているという。普通のスーパーで売られている商品に比べ、安心・安全にこだわった野菜や果物、輸入食品がメインのCITYSHOPの商品価格は当然高い。それでも良く売れるのは、安心、安全なものであれば少々高くても買う消費者が確実に増えているからだ。崔社長はショップ以外にも1,200人を雇って200ヘクタールの野菜農場を経営している。この農場は、中国版GAP(良好農業規範)認証を取得しており、農場の売り上げは7年間でショップの売り上げに追いつき、今では肩を並べるまでになっているという。上海市内の高級食品売り場でも有機野菜が目立つようになった。久光百貨や、八佰伴(ヤオハン)に並んでいる野菜はすべてきれいにパックされた有機野菜だ。量販店のカルフールでも有機野菜のコーナーがあり、安心、安全は日本産品だけの専売特許ではなくなっている。日本の報道にあるような危ない商品がある一方で、きわめて安全性が高く、衛生的な食品が生産されているのも事実である。今、中国は食品の安全を国の重要課題として、国を挙げて有機農業やGAPの普及に取り組んでいる。「中国製の食品は危ない」と日本が言っている間に、世界では安全、安心な食品といえば中国産となる日が来るかもしれない。



久光百貨に並ぶ有機野菜

 

【 もどる 】    【 Top 】