日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
進む国際教育
    尾形大作の『無錫旅情』で有名な無錫市に行ってきた。無錫は上海から动車と呼ばれる中国の新幹線で約50分。人口約500万人で、日本からはソニー、松下、東芝、シャープなど日系企業の進出が1,000社を超えており、長江デルタ地域でも有数な工業都市だ。
    この無錫市にある錫山区教育局の招きで区内の高校と小学校を視察した。周勇 教育局副局長によると、国の国際教育強化の方針で、小中高校の各レベルで英国、米国、オーストラリア、シンガポールとの間で、英語やスポーツを中心とした教育プログラムを実施しており、毎年、教育関係者や学生が相互交流を行っているという。
    天一中学(中高一貫)という重点校の高1クラスの英語授業を参観したところ、教師がほとんど英語で授業をしており、そのレベルの高さに驚かされた。卒業生は北京、上海の有名大学に進学しているが、最近は米国、欧州の大学への進学者が増えているという。また、柏庄実験小学校(モデル小学校)は、米国のMLB関係機関と少年野球の交流をしており、国内大会で北京や上海、広州などの大都市のチームを退けて何度か全国優勝している。
周副局長は、無錫には日系企業が多いことから、特色のある教育を進めるために、日本の学校と日本語や囲碁、スポーツなどをテーマに交流を始めたいと意気込む。
    ほんの一例ではあるが、国際社会で中国の果たす役割が今後ますます増大していく中で、グローバル社会に通用する人材の育成に取り組む中国教育の一端を垣間見た気がした。
    周副局長は日本との教育交流の可能性を探るため近く大分を訪問する。

            (英語授業の様子)
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