日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
新任ご挨拶
大分県上海事務所長 山﨑吉明
        4月の異動で大分県庁から、ジェトロ上海センターに2代目の駐在員として派遣されました。現在、世界で最も経済成長が著しい中国は、様々な問題を抱えながらも、今年8月の北京オリンピック、2010年の上海万博に向けて、更に経済発展していくものと思われます。この重要な3年間に中国に身を置き、中国がどう変わって行くかを実体験できることを感謝しつつ、中国の経済成長を県内企業の方々にメリットとして共有していただけるよう一生懸命サポートしていこうと思っておりますのでよろしくお願いします。
今回は新任ご挨拶として赴任から1ケ月の近況をお知らせします。

(写真1 ナショナルスタッフの魏さんと)

《赴 任》
    1992-94年に続き海外赴任は2度目ですが、前回はオーストラリアで独身、今回は中国で家族6人ということでなかなか大変でした。まず、予防接種です。A型肝炎、B型肝炎、破傷風、狂犬病の4種類の接種が奨励されており、2週間おきに3回子供も一緒に病院(渡航外来のある別府鶴見病院)に行って接種しました。また、中国入国に際して、2週間以内の観光目的以外の滞在ではビザが必要になります。ジェトロ上海センターに勤務する場合に、まず90日滞在のFビザ(短期滞在)で入国し、労働局で外国人就労許可証を取得し、これを公安局に申請して居留許可証(就労ビザ)を取得します。中国では居留許可証がないと、引越し荷物は受け取れないので、最低限の衣類と学用品、調味料などすべて手荷物で持って行くことにしました。スーツケースやダンボール合わせて12個の手荷物を航空会社カウンターに預け搭乗。上海浦東空港に到着し、入国審査を済ませ、荷物をカート4台に載せ税関ゲートに向かいました。普通、ダンボール箱で山のような荷物を持っていると税関職員にチェックされるのですが、ランドセルを背負った子どもまでが荷物を押している姿に同情したのか係員から呼び止められることもなく無事通関できました。
《住 居》
    住居は子どもが4人(小学生5年、3年、5歳、2歳)いることから、子ども最優先で選びました。具体的には、安全で日本人学校に近くで、子どもの遊べるスペースがあるところです。2005年の反日デモや、最近では、カルフールに対する抗議デモなどのように、中国では何が起こるかわからないので、日本人が多く居住していてセキュリティーが比較的しっかりしている虹橋空港近くのマンションを選びました。上海の中心部からは離れていますが通勤通学には便利な場所です。同じジェトロの職員や他の自治体の駐在員も数多く住んでいることや、マンションの管理会社の責任者が上海大分県人会の方だったことも安心材料になりました。

(写真2 虹橋空港近くのマンション)

《学 校》
    上海日本人学校は虹橋校と浦東校の2校があります。2校合わせた生徒数は約2,500名で、2,005年にバンコク日本人学校を抜いて世界最大の日本人学校になっています。私の子どもが通っている虹橋校は小学校のみ(中学校はH18年に新設された浦東校へ移りました)で、生徒数は約1,500人。これまで全校で80数名の小学校からの転校だったので心配しましたが、すぐに友達もできて、学校生活にも慣れてきた様子です。通常の勉強に加えて、中国語と英語、それに中国や上海の歴史や文化について学ぶ「上海タイム」も毎週あり、日本人学校の特性を生かした授業がされているようです。

(写真3 上海日本人学校 虹橋校)

《通 勤》
    自宅からジェトロ上海のある上海国際貿易センター(通称:国貿)までは約5kmあり、タクシーですと17元(約250円)かかります。日本と比べタクシーは格段に安いのですが、毎日のことなので今は片道2元(約30円)のバスと徒歩で通勤しています。上海には公共交通カードがあり、バス、タクシー、地下鉄、電車、フェリーどれでも使えます。これが優れもので、バッグや鞄に入れたままでも「ピッ」と反応するのでいちいちカードを取り出す手間が省けます。残金が少なくなれば地下鉄駅の窓口で簡単にチャージができます。通勤途中の路面沿いには饅頭や揚げパンなどが2元~3元で売られていて、朝ごはんにしている中国人をよく見かけます。また、野菜や果物、肉などの生鮮食品を売っている市場のようなお店があり、時々のぞいて見るのも通勤の楽しみの一つになっています。

(写真4 自宅近くのバスターミナル) (写真5 上海の地下鉄はきれいです)

《業 務》
    上海国際貿易センターには日本の企業、銀行、団体、地方自治体が数多く入居しており、ジェトロ上海センターは21階に入っています。現在、日本人スタッフ27人、中国人スタッフ27人合わせて54人体制で日中経済の促進支援に取り組んでおります。自治体の共同事務所は大分県のほか、石川県、長野県、愛知県、岡山県、鹿児島県の計6県となっています。大分県事務所は私とナショナルスタッフの魏鳴さんの2人体制で、大分県産品の市場開拓、県内企業のビジネス活動支援、観光PR、各種情報発信などを主に行っています。
    4月は、商談に来た県内企業のアテンドや、 24日~27日には大分市経済ミッションの一員として武漢で開催された中部博覧会に「大分ブース」を出展し、大分県の観光とともに麦焼酎や日本酒、ミネラルウォーター等の地場産品をPRしてきました。

(写真6 武漢市で行われた中部博覧会で地場産品をPR)

《生 活》
    上海と大分の生活で一番大きな違いは車を運転しないこと言葉です。仕事でも、プライベートでもタクシーか地下鉄、バスを利用しています。中国で車の免許をとれば運転はできますが、歩行者やドライバーのマナーが悪い上海で事故を起こさずに運転するのは至難の業です。実際、私は日本人で自分で車を運転している人を1人しか知りません。
    困るのは私みたいに家族が6人もいる場合に全員で移動する場合タクシーが2台いることです。赴任して早々に全員でタクシーに乗ろうとしたら、運転手から『六个人 不行』
    (6人はダメ)と言われ、さっそく乗車拒否の洗礼を受けました。これ以降、外出は最低限度の人数で行い。家族全員での移動はバスや地下鉄を利用するようになりました。

(写真7 バンドを背に家族と)

    また、中国語を話せなくても日本語ができる中国人が多いので中国語ができなくても生活することは十分可能ですが、やはりネットワークを広げるためには中国語ができた方が良いことは間違いありません。私も少しは大分で中国語を勉強してきたつもりだったのですが、実際使ってみると発音が悪くなかなか言いたいことが通じなかったり、相手の言っていることがわからなかったり四苦八苦している状況です。なんとか半年以内には日常会話はできるようにしなければと思い中国語のレッスンを始めたところです。
《おわりに》
    赴任して1ケ月、生活基盤も整ってようやく仕事に本腰を入れていけるようになりました。今後は中国(上海)の様々な情報を積極的に発信していきたいと考えております。県内企業の皆様には当事務所を自社の上海支店のようなつもりで、活用していただきたいと思いますので、ご用命の際はご遠慮なくご連絡をお願いいたします。また、仕事でもプライベートでも上海に来られる際はお気軽に連絡ください。
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