日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
上海日本人ネットワーク(創造おおいた 2008年4月号)
    中国ビジネスには人脈が非常に重要である。中国社会は「誰を知っているか」が仕事の進捗を左右する。そのため、中国人の交流範囲はきわめて広く、活発に会食し情報交換をする。
    それは中国の日本人社会にもいえることで、上海の日本人の多くは積極的に異業種交流をしている。上海に日本人は約5万人(出張者等を入れれば10万人ともいわれる)いて、小さな市ぐらいの人口で、わりあい狭い社会だ。そして、それぞれが自分で起業していたり、総経理とか工場長とかで来ていたりとそれなりのポストにいる人が多いので、そういう人たちと知り合えば、ビジネスのことでも話は早い。
また、面白いことに、日本であればライバルの同業者であっても、こっちの狭い社会では顔を合わせる機会も多く、仲良く交流しているようなのだ。
    日本語のフリーペーパーにいろんなコミュニティやサークルの情報が載っており、そういった会合に参加することから異業種のネットワークを広げることができる。ただの友達的な集まりもあれば、県人会、同窓会、同年代の会、趣味の愛好会などさまざまで、血液型の会まである。元気な人はこうした会合に頻繁に出ており、生まれたところ、住んだところ、好きなところと、いくつもの県人会をかけもちしている人も少なくない。
    国際都市上海では、このネットワークは日本人のみならず、中国人や外国人に広げることも可能だ。
    企業や行政関係機関が上海に駐在員を置く最大のメリットのひとつは、この「人のネットワーク」を活用できることだ。
    もちろん上海には日本人をだます日本人もいる。しかし、そうした情報も人のネットワークを通じて迅速に伝わる。
    駐在ビジネスマンは無為に酒を飲んでいるわけではないのだ。
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