日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート

山西省の汾酒(fenjiu)

       日中自治体の交流を推進する会議が山西省太原市で開催された。中国からは、北は黒龍江省、南は広西チワン族自治区、西は新疆ウイグル自治区などから合わせて30以上の自治体が参加した。今回のテーマは「環境分野の協力」で、日中双方がどういった協力を行って環境問題に取組むかを議論した。会議が終わり山西省人民政府主催の夕食会となった。10ほどある円卓には「汾酒」と書かれた見慣れないお酒が置かれていた。中国では、「茅台酒」や「五粮液」なsど透明な酒を白酒(baijiu)といい、紹興酒などのように醸造したまま蒸留していない茶色っぽい酒を黄酒(huangjiu)というが、一見して「汾酒」が白酒であることがわかった。隣にいた遼寧省の人によれば、「汾酒」はコーリャンや大麦を原料とする山西省汾陽県特産の白酒で1400年の歴史があるという。宴会が始まると、さっそく「汾酒」(アルコール度数は45度)で乾杯となった。上海の宴会では、ビールやワイン、紹興酒を飲むことはあっても白酒を飲むことはあまりないが、北の地域では白酒が主役だ。座った円卓では、同僚の日本人以外すべて酒に強い遼寧省の人だった。一通り円卓内で乾杯の儀式が終って安心していたら、今度は、メインテーブルに座っていた副省長はじめえらい人が次々にやってきて、乾杯を行うからたまらない。この人はどこそこの局長だ、課長だと紹介のたびに「汾酒」で乾杯となる。ただ、強い酒を一緒に飲んだことでお互いの距離は近くなるようである。同じ円卓の遼寧省の人達とは今まで会ったこともない人ばかりだったが、「汾酒」のお陰で随分と親しくなり、遼寧省に是非来てくれと熱烈招請を受けた。「郷に入っては郷に従え」、北への出張は覚悟を決めて行かねばならない。

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