上海美容事情 |
![]() |
中国の女性はスタイルのいい人が多く(苗条=ミャオテャオといいます)、上海の街中にはおしゃれできれいな人がたくさん歩いています。ヘアスタイルも化粧もファッションも上海は中国の他都市よりも垢抜けています。南京東路歩行者街のいなかから出てきた観光客と、ファッションストリートの南京西路や淮海路を歩いている人を比べると、その違いは明らかです。経済的に豊かになった上海では外見に磨きをかける人が確実に増えています。中国語フリーペーパーを見てもエステや減量の広告やクーポン券がたくさん載っていて競争の激しさをうかがわせます
<化粧品> 中国の化粧品市場は年20%という速さで成長しており、2008年までに国内売り上げ800億元(約1兆2800億円)の規模に達すると予想されており、2010年には日本を抜いてアジア最大の市場になるといわれています。 シェアのトップ3社はエイボン、ロレアル、資生堂(2005年サーチナ総合研究所)と外資系が占めていますが、外資系の参入もここ数年のことで、激烈な宣伝競争を展開しており、国産メーカーは淘汰されています。 また、テレビで「好男児」(かっこいい男のコンテスト)などが人気を博したように、男性市場も伸びつつあります。 <美容院> 理容院、美容院、マッサージ店というのは、比較的小資本でできる商売なので、街のいたるところにあり、そのグレードも千差万別です。青空営業に近い床屋もあれば、成功した美容院はきれいな大型の路面店を数多くチェーン展開しています。 美容師のレベルもさまざまです。こちらは国家資格がなく、なかには学校で勉強をしてきた人もいますが、多くは、現場で見よう見まねで技術をつけていくようです。美容院では、美容師の技術レベルによって値段が違います。美容師は各自箱やバッグを持っていて、カットするときはその道具入れからおもむろに自分の道具を出して使います。「包丁一本さらしに巻いて」的にお店を渡り歩くのでしょう。女性の美容師は非常に少なく、女性スタッフはシャンプーと按摩専門です。場末の美容院でもたいがい日本のヘアスタイルの雑誌が置いてあり、客はそれから選んで似たような髪形にしてもらうのですが、本当にちゃんとできるとは限りません。私のような坊主頭は普通の安い美容師でいいのですが、それでも丁寧な人とかめちゃくちゃ雑な人とかさまざまです。間違いなくきめたい場合は、日本人の美容師のいるお店も何軒かありますが、値段は日本と同じかそれ以上します。 カットやシャンプーは日本に比べて非常に安いのですが、パーマとか染色とか特殊なことになると場合によっては日本より高くなります。これは、薬剤に日本や韓国からの輸入品を使ったりするためです。 <ネイルサロン> 街のあちこちに「美甲」という看板があります。これはネイルアートのことで、上海で大流行しています。店をかまえているものもあれば、地下鉄駅や服飾市場のようなところでスタンドを出してやっているところもあります。値段は100元とか200元台(1600円~3200円)が多く、日本に比べればはるかに安いので、日本人観光客もよくするようです。ただ、中国人にとってはやや高めなので、安いスタンド店は若い人でにぎわっています。ただし、そういうところは衛生面が少し疑問です。 <広東路の美容用品街> 上海の人民広場の近くに広東路という通りがありますが、ここは美容用品街です。美容院やマッサージ店で使う道具や薬品を売る店が集中して並んでいます。美容院の設備や、足浴に使う木の樽や浴剤など、何でもあって見るだけでも楽しめます。なかには日本の職人が作ったプロ用のはさみなどもけっこうな値段で売られています。美容師さんたちはここで自分の道具をそろえるのです。 <さまざまな美容> マッサージ、エステ、美白、日焼け、岩盤浴、脱毛、ヨガ‥‥と今の上海にはなんでもあります。新しいものは日本人、外国人向けとして入ってくるものが多く、中国では上海だけというものもあるのではないでしょうか。しかし、それが中国人富裕者層に受け入れられ、上海で成功すれば、他の都市にも拡大し、大きなビジネスになることも可能でしょう。 温泉の美容効果を数字で証明できれば、美容をテーマにした大分への温泉ツアーを組んでも十分マーケットがあるのではないでしょうか。 最後に、私がこんなのがあったらいいなと思うアイデアをひとつ。こちらの理美容院ではカットしても髭剃りがありません。剃ることがあるとしても、石鹸もつけずにジョリッとやるだけで、消毒してないカミソリなので怖い怖い。もし私が開業するとしたら、「髭剃りサロン」を作ります。気持ちのいい蒸しタオル、ちゃんと消毒したカミソリでつるつるにして、ついでに按摩で肩のこりをほぐします。こういう店はまだないので、案外いけるかもしれません。 |
【 もどる 】 【 Top 】 |