「の」の字の効用 |
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中国の街を歩いていたりすると、「○○の△△」などと、ひらがなの「の」の字を入れた看板をよく見る。日本語かと一瞬思うが、前後の漢字は中国語だ。もちろん中国語には「の」の字はないので、これは、そのお店が日本的な要素を採り入れているのだということをアピールしているのにほかならない。
アニメ、J-POP、電気製品、お菓子、化粧品など日本製品には「かっこいい」イメージがある。「日本から来た」という言葉には、日本でもかつて「アメリカで大流行」という新商品の宣伝文句が氾濫していたことを想起させられる。 スーパーマーケットに行くと、日本製品ではないのに「の」の字のついた商品がたくさんある。「鮮の毎日」(ジュース)、「優の良品」、「優の品撮」、「柏の悠」(お菓子)、「桜の花」(防虫剤)、「秀の顔」、「伊の花」(化粧品)等等。日本の商品名そのものでヒットした「午後の紅茶」にあやかっているのかもしれない。 なぜ、このように「の」の字を使いたがるのかというと、日本の製品には高品質で安全だというイメージが定着しているからだろう。 先日、ある日系の文房具屋から発泡スチロールの板を買ったら、希望した大きさの幅がなく、サイズもまちまちだった。店員がいいかげんに切って売ったのだ。苦情の電話をかけたら、日本人の責任者が来られて「今後二度とこのようなことのないようにいたします。」平謝りに謝って、商品交換してくれた。 日本=品質がいい、こうした期待を裏切らないためにも、日本企業は「いいもの」しか売ってはならないのである。 |
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