ねずみを捕る猫 |
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中国の最初の王朝は「商」。商の国の人が「商人」。有史以来中国人のDNAには商人の血が流れている。
中国に赴任するとき、中国系航空機に乗って驚いたのが、座席の頭部カバーに広告が印刷されていたことだ。共産主義国である中国の航空会社が、コマーシャルで稼いでいるということが驚きであった。日本の飛行機にはこのような広告は見られない。日本のNHKは公共放送の公平性をうたってコマーシャルを流さないが、中国では中央電視台をはじめ、すべてのテレビ局がコマーシャルを流している。 中国では役所も商売をしている。どこまでが合法で、どういう経理になっているのかよくわからないが、とにかくいろんな「商売」を公的機関がしている。例えば、教育部門が、所有する土地建物を民間に貸して家賃収入を得る。その収入で市内の学校の運動場が全部きれいに舗装されたという。ホテルやレジャー施設を経営している部門もある。公用車を使わない日には運転手ごとレンタルすることもある。 中国では実務担当者の裁量権が強く、かなり融通がきくためこのような役所の商売も可能なのである。これは公平性の面や腐敗の温床になる点などで、マイナス側面も大きいが、適切な運営がされれば無駄が省かれると同時に、新たな事業財源を生み出すこともできる。 日本の場合、役所は公有財産の目的外使用をほとんどさせないし、いらなくなった財産の売ったり貸したりもがんじがらめに規制している。また、職員の副業も徹底的に規制している。どっちが共産主義国だかわからない。 「白い猫でも黒い猫でもねずみを捕る猫がいい猫だ」という鄧小平の有名な「白猫黒猫論」に見られるように、中国は国民が豊かになる手段として市場経済を導入し、急速に経済発展している。 豊後の赤猫も、因習にとらわれない進取の気質を発揮して、ねずみを捕る猫にならねば。 |
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