日中経済協会上海事務所 大分県経済交流室 駐在員レポート
上海物価事情
     中国でビジネスをしたり暮らしたりするうえで、まずは金銭感覚をつかむ必要があると思いますので、はじめに物価についてレポートします。

     どこの国に行っても感じることですが、その国の最高額紙幣を日本の一万円札の感覚でとらえると大体間違いないようです。中国の場合、最高額紙幣は100元札ですから、1元硬貨(約15日本円)は日本の100円玉のような感覚です。実際、市内バスの初乗り運賃は12元、飲食店のアルバイトは時給6~7元前後です。

     しかし、日本と違って、中国は高所得者層と低所得者層との収入間のギャップが大きいので、金銭感覚もいくつかの層に分かれており、それぞれ消費の内容が違っています。例えば、外国人駐在員や会社経営者などは一般労働者の数十倍もの所得があります。ローカルの弁当が6元くらいであるのに対し、日本料理店のお昼の定食は50元(庶民感覚なら5000円!)もしますが、それを平気で払える人がたくさんいます。また、若い人でもホワイトカラー層は単価20元から30元くらいのお店には頻繁に出入りし、初乗り10元のタクシーにもよく乗ります。

     このように、毎日のお昼ご飯を例にとれば、5元以下の低所得者層、1030元の中間層、40元以上の高所得者層とおおまかに三つの階層があるように思えます。

     次に、いろんなものの値段をご紹介します。現在、1元は約15円です。

<バス、タクシー>

     市民の足であるバスは、路線が多く料金も安いので非常に便利です。ただ、路線数が多く、バス停の場所もバスによって違うので乗りこなすようになるにはちょっとコツがいります。市******金はエアコンなしのバスで1元、エアコン付きで2元です。それに比べるとタクシーは高く、初乗り3キロまでが10元で、その先1キロごとに2元ずつ加算されます。浦東空港から市内まで出るとすると、空港バスが20元であるのに対し、タクシーだと130元から150元もかかります。また、浦東空港から浦東新区の龍陽路駅までの30キロを720秒で結ぶリニアモータカーは片道50元です。 

<衣類>

     衣類の値段はピンからきりまで、市場や路上で売っている1020元の品物から、高級デパートで数千元もするものまで何でもあります。以前屋台で買った靴下は1.5元でした。むちゃくちゃな縫製ですが、一応履けます。一方、外国ブランド製品は日本よりかえって高いくらいです。

<食事>

     私の好きな蘭州ラーメンはその場で延ばす手打ち麺で、一杯3~4元です。日本式のラーメンは1530元、肉まんは10.30.7元、コーヒー1杯1550元とさまざまです。

     日本料理や西洋料理は中華料理に比べて高級です。中華料理の場合、一人50元から100元でも食べきれないくらい食べられますが、日本料理店ですと一人100元から300元、フランス料理ですと一人300元から500元といった客単価になります。中華料理でもフカヒレなどの高級食材になると単品で数百元するものもあります。

<生鮮食品>

     肉、魚、野菜、果物などの生鮮食品は、市内の各所にある自由市場やスーパーマーケットで購入します。市場では、1斤(500g)いくらという単位で売っており、日本に比べれば非常に安いです。例えば葉菜類が1キロ1~2元、みかん1キロ23元、鶏1羽20元といったところです。米も安く、中国産のコシヒカリでも1キロ10元くらいです。

<酒>

     ビジネス出張者に気になるのが、夜の「ノミニケーション」の相場ですが、これは日本並みに高いといってよいでしょう。市内に何百ヶ所もあるカラオケ店(スナック、クラブ)はセット料金が1200300元、別途飲み物代(ボトル14001000元)がかかります。さらにホステスにチップ(200300元)のいるお店も多数あります。この料金に関しては日本人向けも中国人向けも大きな違いはなく、やたらあれこれチップのいる中国式の方が高いともいえます。客引きのいる店は「ぼったくり」が多いので注意しましょう。

<マッサージ店>

     中国でありがたいのは、按摩のお店が多く、料金も安いことです。足裏マッサージや全身のつぼ押しなど、安いところでは1時間20元程度、高いところでも5060元です。外国人旅行者の泊まるホテルなどはずっと高く150元前後もします。

<住居>

     住まいの家賃もピンからきりまでで、トイレも台所もないようなおんぼろアパートは月100元や200元のところもありますが、通常のアパートでリビング、ベッドルーム、台所、シャワールームのそろったところは、1000元以上します。比較的高所得者層になると、30001万元、外国人の住むようなマンションでは、1万~5万元もします。西洋人駐在員の方が日本人より家賃水準が高いようです。

<店舗の家賃>

     上海市内はハイピッチで再開発が進んでおり、常にどこかで古い商業施設が破壊され、新しい施設が建設されています。現在、商業用店舗物件は大変探しにくく、家賃も高く、売り手市場になっています。上海の中心市街で、1㎡1日あたりの家賃は安いところで3~10元ですが、繁華街の淮海中路や南京東路、南京西路沿いは3040元もします。10坪ほどの店舗を借りても繁華街だと日本円で月々40万円以上もかかる計算になります。

<自動車>

     自動車はぜいたく品で、日本よりも高く、大衆車で10万元前後、中級車は15万元前後もします。また、市内を走る車両数を制限するため、登録が大変難しくなっており、ナンバープレートの取得だけで35千元前後もかかるということです。それでも、自家用車を買える金持ちのなんと多いこと!

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