上海通信事情 |
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中国では携帯電話の盗難事件がよく発生します。駐在員やナショナルスタッフの間でも、携帯電話を盗まれたという方が多数います。日本だと、人の携帯電話を盗んでどうするのだろうと思いますが、中国の場合、電話機本体に番号が登録されているのではなく、携帯電話の中にチップがあって、それを交換すれば簡単に番号を変えることができるのです。ですから、中古の電話機の売買が簡単にできるため、窃盗事件も多いのです。
今回は中国の通信事情についてご紹介します。 <電話、ファックス> 電話やファックスは、日本と同じように整備されており、ビジネス等の連絡で困ることはほとんどありません。ただ、街角の公衆電話は、壊れていることが多く、携帯電話も普及しているので、利用する人を見かけることはあまりありません。 2006年8月時点での中国での電話の普及率は、固定電話3億6793万台(うち住宅用は2億8452万台)で28%、携帯電話4億3747万台で32.7%と、携帯電話の数が固定電話の数を追い抜いています。携帯電話に関して言うと、2004年の普及率が20%程度でしたから、この2年の間に急激に増えています。 携帯電話の地域別の数を見ますと、一番多いのは広東省で6854万台、次いで浙江省の2867万台、江蘇省の2795万台と続きます。上海市は1546万台で、上海市の常住人口が約1800万人ですから、子供や老人を除いて、ほとんどの人が携帯電話を持っているといっていいでしょう。 中国ではひと昔前はどこの家庭にも電話があったというわけではなかったため、家に電話はないが携帯電話はあるという人も多く、固定電話時代を飛び越して、携帯電話やインターネットが急速に普及しているのです。 携帯電話会社は「中国移動」(チャイナ モバイル)と「中国聯通」(チャイナ ユニコム)の2社があります。携帯電話の加入は、プリペイド式であれば簡単に手続きができます。端末本体とは別に、電話番号の内蔵されたSIMカードと呼ばれる小さな電子チップを購入し、本体に装着して使います。携帯端末を買い換えても、このチップを差し替えれば同じ番号で使えるのです。料金は、市内通話なら1分0.6元、国際電話なら8元(+市内通話料)です(1元は約15円)。料金は、プリペイドカードを購入し、そのカードの暗証番号を送信することで補充できます。 携帯電話には、ショートメッセージサービスがあり、料金は1回につき0.1元と通話に比べて安いので、簡単な連絡ならメールでやりとりする人が多いようです。 中国のプリペイド式携帯電話は基本料金もいりませんので、たびたび出張などで来られる方は、その都度レンタルするよりも携帯端末を買って持っていた方がお徳かもしれません。 <インターネット> 2006年6月末現在の中国のインターネット人口は、1億2300万人で、昨年同時期に比べ2000万人、19.4%増加しています。この数字は2001年が2650万人でしたから、5年で実に4.6倍にふくれあがっています。2001年の接続方法は、ほとんどがダイヤルアップでしたが、現在はブロードバンドが主流で、専用回線やダイヤルアップは減少傾向にあります。パソコンは庶民にとっては大変高価なものですから、ネット人口の主流は、ビジネスマンや学生と思われますが、市内のあちこちに「網巴」(ワンバー=ネットカフェ)があり、パソコンを持っていない人でもネット接続できます。ワンバーの利用者の多くは、おもにチャットやオンラインゲームなどの娯楽目的で利用しているようです。所得水準の向上にともない、自分でパソコンを持つ人も増え、ワンバーの数は減ってきています。 ネットサイトの数は、2006年6月末現在、78万8400個あり、昨年に比べ11万個、16.4%増加しています。ネット利用者の多くは、ブログを公開しており、そんな中から、流行小説やネットアイドルも登場しています。 昨年、「芙蓉姐姐」と名乗る女性が(とても美人とはいいがたいのですが)、ブログ上で、体をS字にくねらせたポーズの自分の写真を公開し、「私のS型曲線が男を悩殺する」など、自信たっぷりの「暴言」で一世を風靡しました。 ホームページの掲載内容や書き込みには、当局は絶えず眼を光らせており、宗教関係や反政府的な情報、書き込みはシャットアウトされたり削除されたりすることがあります。こうした管理のもとでも、大量の情報がネット上でやりとりされており、その影響ははかりしれないものがあります。昨年4月の反日デモも、インターネットや携帯メールで広く呼びかけがされたと言われています。 <郵便、宅配便> 中国の郵便局は、大きなところは土曜日曜や夜間でも営業しているので便利です。郵便料金は、国内便は日本に比べて非常に安いのですが、国際郵便のEMSなどになると、500gまで180元、以降500gごと40元と、日本並みの高さです。 市内の宅配便は、文書や小さな荷物でしたら「快逓」と呼ばれるバイク便が便利で、5元くらいからの料金で即日配達ができます。宅配業者は、小さな企業が乱立している状況で、日本のように全国ネットの大手企業はまだ少ないようです。したがって、市外に送付する場合は郵便の方が安心です。 運送業者は一般に荷物の扱いが乱暴で、どんなものでも投げなければすまないくらいで、天地無用もお構いなしなので、梱包はしっかりする必要があります。 |
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