中国で尊敬される日本人 |
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たてつづけの出張で、南方の湖南省と北方の内蒙古自治区に行く機会があった。たまたまその2箇所で、地元政府関係者から同じような話を聞いた。「こちらでは大変尊敬されている日本人がいて、学校でも教えられます。銅像も建てられました。」
一人は、原正市氏(1917-2002)、64歳から16年にわたって45回も訪中し、ボランティアで稲作技術を指導した。実践で示し、収穫量を2倍、3倍にする技術を伝え、「財神(福の神)」とまで呼ばれた。湖南省長沙市に銅像が建つ。 もう一人は、遠山正瑛氏(1906-2004)、84歳のときから内蒙古で砂漠緑化に取り組み、植林の先頭に立った。日本からのボランティアを組織し、300万株の苗を植えた。エングベー砂漠開発モデル区に銅像が建つ。 戦後、日本がODA等で莫大な支援を中国に対して行ってきたのに、中国人はちっとも感謝しないと言ってお怒りの「中国通」の日本人をよく見かけるが、原、遠山両氏が行ったような血の通った支援にはちゃんと素直な感謝の気持ちが示されている。それを日本人が知らない。 中国は第11次5ヵ年計画で、農業農村問題の解決を前面に押し出している。農村の経済発展、環境問題解決に最大の助けとなるのは金の力ではなく、やはり人の力ではないだろうか。 |
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